アレクシオン・サーガ

アレクシオン・サーガ　五代ゆう

アレクシオン・サーガ (HJ文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
　白銀の髪と、色彩の変わる瞳をもつその騎士の名はアレクシオン。古き王国エルドの王子として生を受けた彼は、しかしその容貌と才能ゆえに父王からも疎まれていた。このままここにいる事はできない。アレクシオンは王子である身分を捨て、ひとり出奔することを決意するのだった。
　雑誌Novel JAPAN誌上で連載中の五代ゆう先生の新シリーズです。身分を捨て国を出奔した旅の騎士アレクと、そんな彼を伴侶と呼び共に旅をする少女ヘロディアの物語。これは面白いですね。どこまでも直球なファンタジーです。内容も然ることながらいのまたむつみ先生のイラストも素敵で作品をより魅力的にしているかと。
　異邦人の母から生まれ、その姿、その才ゆえに国を出て行かなくてはならなくなった悲劇の王子。その身に紅き鎧を纏い、母の形見である緋色の剣を携え旅に出る。これだけでも心躍るのにさらにそのアレクを伴侶と呼ぶ美しき魔術師の登場となれば、これに自分が惹かれないはずがないですね。とても面白かったです。
　まだ一巻とのことでアレクの出自やヘロディアのことなど明かされていない謎がたくさんあるので、これからの展開に期待です。