機動戦士ガンダムMSイグルー

機動戦士ガンダム MSイグルー 黙示録0079 著 林譲治 原作 矢立肇富野由悠季

☆☆☆☆☆☆
 宇宙世紀0079。混迷を極める戦場。悪化する戦況。そんな中、試験支援艦ヨーツンヘイムを拠点としたジオン軍603技術試験隊もまた、その煽りを受けていた。どうみても急造品にしか見えない新兵器を持って、彼らは戦場へと駆けていく。そして戦場はア・バオア・クーへとその舞台を移していく――。
 これはもともと映像作品だったやつのノベライズって感じでしょうか。いまいちそういうのを理解せずに購入してしまった作品だったりします。しかも前作があったみたいですね(苦笑)。それすら知らなかった・・・。
 とまあ、それはともかく感想を。これはなかなか面白かったですね。ジオン軍の603技術試験隊を追って行く形でストーリーは進んでいきます。悪化する戦況のなか、送られてくるマシンはどれも既存品をリサイクルしたものばかりで性能も良いとは言えず・・・。そんな現実のなかで主人公であるマイ技術中尉をはじめとしたクセのある人達が登場しています。第一話のヴェルナー中尉とかがその筆頭だったかと。他にもヘルベルト大佐も軍人気質で印象的でした。 
 個人的に印象的だったのはヘルベルト大佐が登場してからの2話、3話(ちなみに3話構成です。)ですね。多くを語らない不器用さが生み出す誤解。そんな誤解を内包しながらも、物語が展開していく様がちょっと面白かったですね。語らなくても分かることもあれば、言葉にしなければ伝わらないこともある。そんな感じですかね。 
 終盤。割とサプライズだったのはやっぱりマイ中尉のアレですね。まさか(一応反転――モビルアーマーに乗ってしまうとは)。むしろ動かせたのかーといった感じです。
 この終盤はなかなか読んでいて熱くなりました。なかなか楽しい。いつか、映像作品のほうも見てみたいですね