キリサキ 田代裕彦
- 作者: 田代裕彦,若月さな
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 文庫
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俺は死んだ――。なぜ死んだのかは分からないが、とにかく俺は死んだ。それだけは分かっていた。死んだ先で出会ったのはナヴィ(案内人)という変なやつ。ナヴィにまだやり残したことがあると告げると、ナヴィは俺に新しい身体を与えてくれた。霧崎いづみという女の体を――。
俺が新しい体を手に入れてから幾日か。それは起こった。クラスメイトが殺されたのだ。しかも犯人は世間を賑わす<キリサキ>だという。俺はその事件に驚愕した。なぜ、<キリサキ>が現れる。それはないはずだった。なぜなら――。
う〜ん、いつも以上にあらすじがほぼ写しになってしまっているような(苦笑)。で、それはそうと感想。これはなかなか面白かったですね。ある目的から霧崎いづみの体を手に入れた主人公が、殺人犯<キリサキ>を追っていくというのが主な話。掲示される謎が気になって、どうなるのかどきどきしながら読めました。なかなかサスペンスなお話だったかと。
この作品は何を書いてもネタバレになりそうなので、最後に一言だけ。ラストで色々な謎が明らかになるわけですが、この謎解きには完全にやられましたね(笑)。思わず「おお!」と唸ってしまいました。ただ。納得もできるし感嘆もするのだけど、どうにもすっきりしなかった感が少しだけあったりもしました。読後感も決して悪いわけではないし、どうしてだろうと自分でも首を捻るくらい曖昧な感じなので、それほど気にはならなかったのですが、一応そう感じたということで書いておきます。