狼と香辛料4

狼と香辛料Ⅳ 支倉凍砂

狼と香辛料 (4) (電撃文庫)

狼と香辛料 (4) (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 ホロの故郷・ヨイツの手がかりを求め、ロレンスたちは田舎の村テレオへとやってきた。そこにいる司祭に、異教の神々の話を集めている修道士の居場所を聞くためだった。 ところが、教会を訪れたロレンスたちを出迎えたのは、無愛想な少女エルサだった。ロレンスはエルサから情報を得ることが出来なかった。しかし、エルサが何かを隠していることは明白で・・・。そんなおり、ロレンスとホロは村の存続をかけた出来事に巻き込まれてしまい――。 
 商人ロレンスとその道連れである狼神ホロの物語、その4冊目。今回もとても面白かったです。
 前巻に比べ、今回は全体的にまったりした雰囲気が漂っていたかと。そんな中、相変わらずロレンスとホロのやり取りが良かったですね。和みます。また、そんないつも通りの2人だけど、ほんの少しだけ変化をしている、そんな感じがして、それが印象的でした。
 まったりしているとは書きましたが、それでも中盤以降の村の騒動に巻き込まれてからの展開はなかなかドキドキするものでした。そんな中で、終盤のロレンスたちの活躍が良かったですね。読んでいて気分の良いものでした。
 また、終わり間際のロレンスとホロの会話が素敵でした。「ああ、なんかこの2人らしいなー」と思えるようなやり取りだったかと。とても楽しかったので、続きにも期待です。
 印象に残った台詞(以下反転)――「どこの世界に御者の手綱を握る荷馬がいるんだ」――ロレンスの台詞。ホロの「わっちがぬしの新しい荷馬車になってやっても構わぬが?」という言葉に対してのロレンスの突っ込みです。なんとも上手い言い回しだなと思った台詞です。なんか好きです(笑)。