神の手のネジマイスター

神の手のネジマイスター 淺沼広太

☆☆☆☆
 14歳の少年マグナムは、貧乏ながらも平穏に暮らしているネジ技師だった。腕はまだまだ未熟だが、その巻く力はとても強い。そんな彼がある日出会ったのは、背中にネジのついた少年スクリューだった。彼は政府に追われているらしい。そんなこととは知らず彼のネジを巻いてしまったマグナムは、共に政府から追われる身となってしまい――。
 ネジ技師のマグナムが、ひょんなことから追われる身になり旅をすることになるお話。
 で、感想。決して悪いわけではないのですが、どうにも乗り切れなかった感が付きまとう感じ、というのが本音です。まず気になったのはネジ技師という設定。今回の話だけ見ると、ネジ技師というのがどう凄いのか良く分からなかった。ただ単にマグナムに「巻く力」があることを説明するためのオマケのように思えてしまうことも・・・・。またその「巻く力」についても、技術とかじゃなくて能力といった感じだったのが少し気になりました。
 全体的に私が思っていたのより軽いお話だった様子。なんていうかギャグチックな感じ。文体がマグナムの一人称で、しかもそのマグナムがちょっぴり変態さんなので余計にそう感じるのかも。個人的には、もっと冒険心溢れるようなお話にしてほしかったなとか思ったり。
 そんな訳で決して悪くはないのですが、私には合わなかった作品でした。