かむなぎ

かむなぎ ―不死に神代の花の咲く― 沖垣淳

かむなぎ 不死に神代の花の咲く (GA文庫)

かむなぎ 不死に神代の花の咲く (GA文庫)

☆☆☆☆☆☆
 日本を守る三種の神器の家系、そのうちの一つ八坂家。ここに怪異に親しむ少女がいた。少女の名前は千尋。生まれながらの特異な体質により、周りの怪異の力を増幅させてしまう。そんな彼女を狙いたくさんの怪異たちが集まってくる。そんな彼女の境遇を知った三種の神器のひとつ草薙家の真幸。彼は千尋を守ることを誓う。しかし――。
 これはなかなか面白い。人間よりも怪異と親しむ少女千尋と、そんな彼女を守ろうと誓った真幸の物語。ストーリーは割とシンプルで千尋守るための戦いって感じかと。 
 6歳の少女千尋と真幸たちとの交流が印象的ですね。特に草薙家に来て、心を開いていく過程が良かった。真幸の母・沙那子が、そっと千尋の心を紐解いてく。そのあたりが結構好きだったりします。
 まとめ。千尋を狙うものとの戦いのお話。何気に千尋の可愛さに骨抜きにされている真幸が面白い。でも、なんとなく気持ちは分かるかも(笑)。で、そういう気持ちが共有できるから、真幸が千尋の為に頑張る姿は応援したくなりますね。色々と細かい設定が存在していますが、大筋は分かりやすいので、困惑はしなかったです。結末も綺麗にまとまっていて、なかなか楽しめた作品でした。