暗黒は我を蔽う

暗黒は我を蔽う　マジカル・シティ・ナイト　朝松健　

暗黒は我を蔽う マジカル・シティ・ナイト (GA文庫)

☆☆☆☆☆
　マジカル・シティ――それは人間、悪魔、妖怪が共存する都市であった。その都市で魔術犯罪専門の特別捜査官であるベンは、ある日、捕物の最中に同僚と犯罪者が目の前から突然いなくなるのを目撃した。しかも、その場にいた誰もが記憶にないという。ばかりか、シティの記録からも抹消されていた。ベンは、美貌の女性悪魔刑事ルナリスや妖怪すねこすりと共に事件解決に乗り出すが――。
　まず思ったのは、前作（GAにおける）旋風伝とくらべて、ライトノベルレーベルで出ても何の問題もないファンタジー作品だったということ。旋風伝と対比すると幾分読みやすいかと。
　で、この作品。一応元のネタ（マジカルシティ・ナイト）があるようで、そのシリーズものの新作といったところなのでしょうか。あとがきに書いてあるのですが、今一この作品の立ち位置が理解できてなかったりします（苦笑）。
　それはそうと感想。割かし楽しめた作品でした。美貌の女性悪魔刑事・ルナリスや妖怪すねこすりなど、登場人物達がなかなか魅力的です。ベンとのやり取りが結構楽しい。また、どこかコミカルな演出があって、その雰囲気が楽しかったです。
　それとベン自身の過去についても、色々と想像ができる範囲で明らかになりつつあるようです。あと、おそらくそれに関連しているであろうベンの変な癖（時折、現地人にとって訳のわからない事をいう。）がちょっと面白かった（笑）。
　3部作とのことで、完全に続き物です。割と気になるところで終わっているので、続きに期待です。