死神とチョコレート・パフェ

死神とチョコレート・パフェ 花凰神也 富士見ファンタジア文庫 2006年9月25日

死神とチョコレート・パフェ (富士見ファンタジア文庫)

死神とチョコレート・パフェ (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆
 お金にうるさいこと以外、普通の高校生である天倉神名(じんな)。彼は給料日のその日、謎の物体に衝突して死にかける。そんな神名を助けたのは死神の少女・ナギ。しかしその後、少女は神名の命を狙ってやってきた。どうやらあの日の夜神名は死ぬはずで、それを助けてしまったがために輪廻が狂い、正常に戻すために彼女は神名を殺しに来たのだった。そして、もしその任務に失敗してしまったら・・・・・ナギはチョコレートパフェに変えられてしまう運命だった。
 死なないために、チョコレートパフェになりたくないが為に、二人が壮絶な戦いを繰り広げる「死神とチョコレート・パフェ」です。
 で、感想。割と面白かったですね。お互いに命を懸けた戦いなのだけど、どこかノリが軽く、重さをまったく感じさせません。また、登場人物たちがいい具合に力が抜けていて、その掛け合いが結構好感触。何気にベルが好きですね。中盤の神名とナギにいじめられる(?)あたりが笑えた。あと、独特な鎌の設定も面白かったです。
 ただ。全体が軽い分(悪い意味ではなく)、終盤のシリアスさがちょっと気になったりもしました。個人的にはコメディ部分をもっと多くしてほしかったかなと思ったり。
 まとめ。命がけだけど、どこかコミカルな戦いが描かれた作品。割と神名が超人ぎみですが、そんな無茶も笑ってしまえるような感じ。ただ、個人的には終盤のシリアスな展開がちょっと肌に合わなかったです。