付喪堂骨董店

付喪堂骨董店 不思議取り扱います 御堂彰彦 電撃文庫 2006年10月25日

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 アンティーク――それは不思議な力を宿した器物の名称。その力は実に様々で、またその姿も多岐にわたる。ここに、そんな不思議なものを取り扱っている店がある。「付喪堂骨董店〜FAKE〜」 名が示すとおりそのお店で売っているものは偽者ばかりだが、ごくまれに本物が手に入ることがある。これは、そんな本物を手に入れた人達がめぐる物語。
 不思議な力を持つアンティークを巡るお話。で、感想。これはなかなか面白かったです。不思議な力を持ったアンティークの設定が面白い。また、作品の雰囲気も良かったですね。淡々としているのですが、それがまたいい感じだったかと。
 また、骨董店で働く3人のメインキャラクターたちも良かったです。特に独特な空気を纏っている咲が印象的でした。
 ストーリーは短編4つで構成されています。以下簡単に感想。
 1章「偶然」・・・必然に近い偶然のお話、といった感じでしょうか。何気にちょっと驚く要素もありました。
 2章「像」・・・像にまつわるお話。過去での出来事と現在の出来事を混ぜながら追っていく展開に読む手が進みます。
 3章「記憶と記録」・・・書いたことを絶対忘れないノートが出てくるお話。展開がうまくて惹きつけられました。
 4章「プレゼント」・・・とある財布を使ってしまったことから展開する話。何気に普段とは違った反応を見せてくれる咲が可愛いかったですね(笑)。
 まとめ。短編4編からなる物語。それぞれテンポが良く、メインのキャラクター達も魅力的なので最後まで一気に読めました。まだ明かされていない部分があるようなので、そちらが気になります。なので続きも楽しみです。