ディスパレイト!1 

ディスパレイト!1 或る異性物使いのこと 榊一郎 富士見ファンタジア文庫 2008年1月25日

☆☆☆☆☆☆
 異世界から来た不思議な生き物=ディスパレイトが存在する世界。突然仕事をクビにされ、さらにはディスパレイトによってびしょ濡れにされたエニーネは不機嫌だった。そんな彼女が出会ったのはトルクという青年。彼は異性物使いで、探偵だった。そんな彼の妹のテレスに誘われて、エニーネは探偵事務所で働くことになったが・・・・・・・。
 薄幸な少女エニーネが、謎の生物・ディスパレイトを使って探偵業をしている青年トルクと出会い、彼の事務所で働くことになる『ディスパレイト』です。これはなかなか面白かったですね。雰囲気が良かったです。「ぬくい」とでも言うのでしょうか、どこかのんびりとした感じが好きです。
 また、ディスパレイトの設定も良かったですね。彼らの意思に関係なく、超常現象を起こしてしまうというのは面白いです。
 ストーリーは、元々雑誌連載ということもあり短編形式で進んでいきます。個人的には「彼女の秘密のこと。」と「やめて眼鏡は見飽きたのよのこと」の2編が好きですね。どちらもなんだか笑えます。
 まとめ。その雰囲気が良かった作品。また、登場人物たちのやり取りも楽しかったです。シリーズモノということで続きも楽しみです。