うさぎの映画館

うさぎの映画館 殿先菜生

うさぎの映画館 (電撃文庫)

うさぎの映画館 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 それは繰り返し見る不思議な夢。商店街の一角にたたずむ映画館。出迎えてくれるのはぬいぐるみの「はーさん」。受験を控えた高校3年生の静流(しずる)は、まだ志望する分野を決められずにいた。そんな彼女は、ある日バイト先の骨董店で同級生の雲井進と出会う。そして、この小さな出会いが静流の心に波紋をひろげていき――。 
 今作がデビュー作となる殿先菜生先生の作品。一人の少女の物語です。これはなかなか面白かったですね。全体的にちょっと地味かなというのはありますが、雰囲気が良かったです。
 登場人物達の掛け合いがなかなか魅力的でした。純朴というか、素朴というか、ゆったりと時間が流れているような、そんなイメージ。また、全体的に優しい感じが溢れいる、そういう作品でもあるかと。
 まとめ。すごく盛り上がるとか、強烈なインパクトが残るとかいったことはないのですが、なかなか味のある作品かと。のんびりとした気分で読むのが適しているかもしれません。