エクスプローラー2

エクスプローラー2 憂感少女 北山大詩

☆☆☆☆☆☆☆
 一人で生きていくつもりだった。一人で。誰も信用せず、自分だけで生きていく。それができるだけの力も持っていた。だけど今、この4人で過ごす日々を楽しいと感じてしまった。一人で生きていくつもりだったのに、仲間と過ごす日々を、守りたいと思う自分がいた――。 
 あらすじ(?)を、ちょっと格好つけてみたり(笑)。そういうわけで、エクスプローラー2巻です。うん、今回も面白かったです。今回は、響が子供時代を過ごした孤児院の経営難から始まり、謎の事件に透たちが巻き込まれていきます。なかなか敵の目的が見えてこない、そんなもどかしさと緊張感が、いい感じで読書意欲を刺激して読む手が進んでいきました。
 この巻では、透たちの4人(うち一人は猫)の関係とか、それぞれの心情とかが結構掘り下げられていたかと。特に不器用な透と響が印象的でした。口を開けば憎まれ口ばかり。だけど、時折垣間みるお互いを思っている気持が、なんとも心地良かった。
 事件の真相を追いながら、透の心情の変化にもスポットを当てられていたお話。最後まで緊張感が継続していて、一気に読めました。これからの展開が楽しみな作品です。