エクスプローラー3

エクスプローラー3 白黒乱舞 北山大詩

☆☆☆☆☆☆☆☆
 念願叶いエクサーになった薫。早速、誘拐されたペットの捜索依頼を受けることに。しかし、結果は残酷で、依頼は失敗してしまった。落ち込む薫だったが、しばらくして自分で犯人探しをすると言い出した。密かにそうなるだろうと心配していた透と響が説得するも薫は引かない。しかも、いつしか言い争いになり、最終的に桃・薫・総一郎VS透・響で犯人捜査対決をすることになってしまい――。 
 エクスプローラー3巻です。今回もとても面白かったですね。些細な意地の張り合いから思いがけない方向へと展開していく物語に完全にやられました(笑)。
 この作品ってキャラクターの心情が凄い伝わってきますね。そのひとつとして、薫に対する響と透の思い。それは自身がエクサーとして苦労してきているからこそのものであって。だけど、それは当の薫や新たに(仲間に)入ってきた総一郎からみたら納得できるものではなくて・・・って感じで、仲間うちで色々な感情が渦巻いている様子が印象的でした。
 また、今回なんといっても透の心情が印象的でした。(以下一応反転――仲間たち、特に響の存在が、透にとってどうしようもないぐらい大きなものになっていたというのを自覚したのが良かったですね。) 
 ストーリーについて。序盤はチームに分かれた犯人探し対決が面白かったです。時に出し抜いたり、時に出し抜かれたりと、なかなかに楽しい対決でした。
 一転して中盤・終盤はシリアスで緊張感があったかと。どうなってしまうのかどきどきしながら読めました。
 まとめ。犯人探しから少しずつ事態が変化していって、透たちが追い詰められていく展開は目が放せないものがあります。そして、終盤の響きがとった行動。これが今後、どういう重さを持っていくのか非常にきになります。
印象に残った会話(以下反転)――「むー、桃ちゃん、重いー、ダイエットしなきゃダメだよー」「(め、面目ない)」――薫と桃の会話。走ろうとしたら転がってしまった桃。なんというか桃の意外な一面を見れた場面かと(笑)。あと、その時の転がる桃のイラストがコミカルで可愛いですね(笑)。