オイレン・シュピーゲル4

オイレンシュピーゲル Wag The Dog 冲方丁

☆☆☆☆☆☆☆
 キャンペーン任務中に起こったハイジャック事件。その首謀者の男・パトリックを捕らえた涼月だったが、武装集団によって襲撃されてしまう。そのため、パトリックと行動を共にする涼月だったが・・・。一方、テロリストが市民を人質にとり空港の一角を占拠して――。
 機械化された体をもって、敵を倒す3人の少女たちの活躍を描く『オイレンシュピーゲル』、その4冊目です。
 これはとても面白かったです。『スプライトシュピゲール』とのリンクもあり、最後まで一気に読めました。
 自分は『スプライト』の方を先に読んだので、事件の全体的な流れとか雰囲気みたいなのは、ある程度知っていたのですが、それでも飽きることなく読み続けることが出来ました。
 なんといっても、登場人物たちが熱いですね。涼月にせよ、陽炎にせよ、夕霧にせよ、色々抱えているものがあるなかで、必死に戦う姿がとても印象的です。
 また、そんな3人をサポートする「大人」たちの存在も素敵です。個人的には特にミハエル中隊長が好きですね。陽炎じゃないけど、その渋い魅力にやられそうです(笑)。
 目が離せない怒涛の展開と、登場人物たちの熱い心に導かれるようにして、最後まで一気に読めた作品。「スプライト」とのリンクも良かったです。これからの展開も楽しみ。