オオカミさんと七人の仲間たち

オオカミさんと七人の仲間たち 沖田雅

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

オオカミさんと七人の仲間たち (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆
 おおかみさんと赤頭巾ちゃん。そんな通称で呼ばれる二人の女の子・大神涼子と赤井林檎。二人は御伽学園学生相互扶助協会、俗称・御伽銀行のメンバーだった。 これは、そんな二人と愉快な仲間たちが繰り広げる、熱血人情ラブコメ風味な物語・・・・・・なのかもしれない。 
 「先輩と僕」シリーズの沖田雅先生の新シリーズとのことです。で、感想。これは、なかなか楽しかったですね。男勝りで素直じゃないヒロインや、視線恐怖症のヒーロなど、個性的なキャラクター達が魅力的です。また、あとがきに「スーパー童話大戦」とかあるように、様々な童話を題材(というかネタ)にしているので、これは何が元ネタなんだろうとか考えながら読むと楽しいです。何気に毒を吐く赤頭巾ちゃんこと林檎さんが良かったですね(笑)。
 個人的に特に良かったと感じたのは終盤の展開ですね。大神さんの心情や、視線恐怖症の亮士くんがとった行動(以下一応反転――恐怖に耐えながら、大神さんの為に頑張った)が、凄く良かった。亮士くん、格好いいです。
 まとめ。キャラクター達が魅力的な作品。意外に恥かしがり屋な大神さんが可愛いですね。読んでいて楽しい作品なので、続きも期待です。
 印象に残った台詞(以下反転)――「と、いうわけで、かわいい後輩をいじめてくださったこの方にお仕置きをいたしましょう」「そうだね? かなり貸しができたのでたっぷり利子つけて返してもらわないとね?」――おつうさんと、頭取さんの台詞。なんだかんだで、おいしいところを持っていく先輩達。彼等もなかなかに個性派ですが、何気に後輩思いなところに惹かれます。