陰陽ノ都

陰陽ノ都 渡瀬草一郎

陰陽ノ京 (電撃文庫)

陰陽ノ京 (電撃文庫)

 第七回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞。時は平安時代。魑魅魍魎が跋扈する時代。そんな中陰陽道の名門に生まれながら、文章道を選んだ青年―慶滋保胤(よししげ やすたね)が主役の物語。
 実は渡瀬草一郎先生の作品を読んだのは、『空ノ鐘の響く惑星で』が初めてなのですが(しかも、8巻が出てから)、もっと前から他の作品を読んでいれば良かったと本気で思いました。そう思うくらい面白い作品でした。
 まず、時代が平安時代で、しかも実在した歴史上の人物を主役に持ってきているところが凄いです。もっとも、それを読んでいる自分が、それほど歴史について詳しくないのですが・・・。すこし興味が湧いたので今後機会があれば調べてみようかな〜と思ってみたり。
 それはともかくとしてこの作品、登場人物たちがとても魅力的ですね。結構な人数がいるのにそれぞれの特徴が分かりやすく、その魅力が伝わってきます。そんな彼らの掛け合いは時に微笑ましく、時にやさしくといった感じ。
 また、作品のもっている雰囲気も素敵です。淡々としているわけではなく、かといって熱い展開があるわけでもない。どちらかというと静寂ってイメージがあります。
 ともて面白い作品なので、是非とも続きを読まなくては。