グロリアスドーン

グロリアスドーン 1、少女は黎明に唄う 庄司卓

☆☆☆☆☆
 人類が、初めてその地球外生命体と出会ってから20年。その生命体「bioクラフト」は、あらゆる意味で人類の予想を超えていた。当初こそ沸きに湧いた人類だったが、彼らの独自の接し方も手伝ってか、いまや熱はすっかり冷め切っていた。そんな時代。高校生の大空広大(こうだい)が目覚めた時、そこには見知らぬ女の子がいた。「これ、なんてギャルゲー?」混乱する広大を尻目にマイペースな少女ティセ。この二人の出会から物語は始まる――。
 あとがきによると実は巫女さん属性だった庄司卓先生の新作。スペースラブストーリーとのことです。で、感想。良くも悪くも導入巻といったところでしょうか。ところどころ気になる部分もありましたが、全体的には割と楽しめました。
 まず、キャラクター。どこまでもマイペースを貫くティセがなかなか面白い。猫に「にゃあ」とかいったりするあたりがちょっと可愛いなとか思ったり。また、主人公の母親広海も良かったですね。なかなかクセのある人ですが、広大とかとの掛け合いが楽しかったです。意外に重要な秘密を抱えていそうです。
 ただ。主人公とその幼馴染の恵子にそれほど魅力を感じれなかったというのもあったり。まあ、ここら辺はこれからによるかなと。
 ストーリーは、上でも書きましたが導入的な意味あいが強いかと。個人的には「bioクラフト」とのファーストコンタクトについて書かれていたのが印象的でした。設定まわりの説明や、今後の展開に関わってきそうな謎がちらほらとでていたかと。ただ、その反面、ティセと広大との交流に関しては駆け足ぎみだったようにも・・・・。実質1日という時間で、やけにアッサリと仲が深まっているような気がしました。まあ、これも今後の展開によって明らかになるのかもしれませんが。
 色々と気になる謎があるので、これからどういった展開になるのか、次巻も楽しみです。