クジラのソラ04

クジラのソラ04 瀬尾つかさ

クジラのソラ〈04〉 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ〈04〉 (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 大切な者たちを失い失意の中、それぞれ帰路へつく雫と聖一。胸にぽっかり穴が開いた状態で、言われるままに街へと出かけた雫。そこで彼女が見たものは。そして、彼女の下した決断は――。
 『クジラのソラ』4冊目にして、最終巻です。これはとても面白かったですね。前回の衝撃のラストからばらばらになってしまった<ジュライ>。失意のなかに沈む雫が、聖一が、それでも前を向いて自分達の望む結果を求めて頑張る姿がとても良かった。SFとして巻を重ねるごとにスケールアップしていった作品ですが、その根底として「雫たちの物語」というのは変わらないんだな、とそんなことを感じたりしました。
 今回はキャラクターたちの掛け合いが(全4巻の中で)一番活き活きしていたように思います。特に終盤の、事態的には結構 切羽つまっているはずなのにどこかいつもどおりな雰囲気で進むやり取りが印象的でした。なんだか楽しい。
 やり取りといえば、個人的にはシリーズ通して雫と聖一のやり取りが好きですね。ちょっとした掛け合いが結構印象に残ったりしています。
 まとめ。そんなわけで、シリーズ通して楽しめた作品でした。今後の新作に期待です。