クジラのソラ03

クジラのソラ03 瀬尾つかさ

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆
 アウターシンガーとしての更なる高み―第二段階へとたどり着こうとしている冬湖。どこか異常さをみせる冬湖の姿に、いつか自分の前から消えてしまうのではいかと不安になる雫。 しかし、<ジュライ>の状態や雫の感情を置いてきぼりにしてWG準決勝は始まろうとしていた。しかも、その対戦相手は宇宙に消えたはずの冬湖の両親だった・・・。
 前回で色々なことが明らかになった『クジラのソラ』その3冊目です。今回もなかなか面白かったですね。
 アウターシンガーとしてより高いレベルへと移行しつつある冬湖。そんな彼女が見せる異常さ、特にそこに両親が絡んできてからの彼女の姿はなんだか圧倒されます。
 そんな冬湖の姿を見ながらも止めることができないと知っている雫や聖一たちの苦悩も読んでいてなかなか辛いものがありますね。どうなってしまうのだろうとドキドキしながら読めました。
 前回で色々なことが明らかになったかと思ったら、今回ではさらに何者かによる陰謀が巡らされていたとのこと。<ゲーム>でのアレ(以下反転――現実の地球が存在する宇宙が舞台)にはビックリですね。ここまで深刻な事態になるとは・・・。
 まとめ。深刻化する事態に対して<ジュライ>のメンバーはどうするのか、そしてどうなってしまうのかと、次が気になり最後まで一気に読めました。しかも、ラストはかなり衝撃的で、最終巻である次がとても気になります。