この広い世界にふたりぼっち

この広い世界にふたりぼっち 葉村哲

この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)

この広い世界にふたりぼっち (MF文庫J)

☆☆☆☆☆
 心のうちに孤独を抱える少女・塚木咲希。彼女はある冬の夜、真っ白な狼に求婚される。お互いに孤独を抱える2人が出合ったとき、現実世界に神話が侵食しはじめる。
 第4回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作『この広い世界にふたりぼっち』です。早速感想。これはまずまずな面白さでした。
 なんといっても登場人物たちの掛け合いが良かったですね。特にメインである咲希とシロ。この2人のどこか落ち着いたやり取りは読んでいて和みます。てか、すごく物静かな咲希がシロの頬をつねったりしている姿を想像するとちょっと笑いが込み上げてきたり。
 とまあ、そんな感じで登場人物たちの掛け合いが面白いのですが、ただ、全体的にどこか乗り切れないところもありました。おそらくは登場人物たちの心情にイマイチ共感できなかったことが原因かと。
 まとめ。面白いとは感じるのですが、どこか乗り切れなかった作品。ただ、続きが出てもおかしくはなさそうなので、続きがあるなら読んでみたいです。