紺碧ノたまゆら

紺碧ノたまゆら〜ヨミノメ〜 神代明 

 刺された!そう思ったとき直哉は悪夢から覚めた。しかし目覚めた自分の身体を見ると、大量の血がこびりつき胸には覚えのない傷跡があった。不振に思いつつも学校へと向う直哉は途中、地元で『姫様』と呼ばれている少女・白道瑠璃と出会った。彼女の存在になぜか胸の傷跡が反応するが、彼女には「近づくと死ぬ」という噂が囁かれていて・・・・。
 はい、そういうわけで古くからの住人と新参者との間に大きな亀裂がある町・白峰を舞台にしたホラーサスペンスです。う〜ん、これはある一つの事を除いて凄く面白かった。直哉に関連する傷跡や悪夢の事で読者をグイグイ引っ張っていく感じかと。
 また、瑠璃の感情がとても丁寧に描かれていて良かった。自分の持っている能力が周りに与える影響。そしてその影響を受けないでいられる直哉との交流。特に直哉との交流はなんとも儚げで微笑ましいような切ないような雰囲気が漂っていたように思います。
 そんなわけでとても面白かったのですが、唯一結末が好みじゃなかったです。なんというか、今まで順調に歩いてきた道が急になくなった感じ。「そこまできて、そうくるかー」って思わず呟きたくなるエンディングでした。まあ、好みの違いですね(苦笑)。と、えらそうなこと言っていますが、全体的に面白かったので続きも読みたいですね〜。