彩雲国物語

彩雲国物語 〜はじまりの風は紅く〜 雪乃紗衣

 紅秀麗(しゅうれい)は彩雲国でも名家の出身のお嬢様。しかし、家計は火の車。やたらにでかい屋敷の維持費も馬鹿にならない。そんな時、飛び込んできたのはオイシイ話。その仕事の内容は、即位したばかりの「ダメ王様」の教育係。しかも期間中、貴妃としてあつかわれることになって……。
 いや〜これは楽しいですね。秀麗を始め家人の静蘭や、気性の激しい文官、冷静な武官、そして王様といった登場人物達がとても魅力的です。
 ストーリーも面白い。秀麗と「ダメ王」こと劉輝の交流が、なんとも楽しいです。あと個人的に老人三人が笑った。「運命の出会い」を演出って、なかなか凄い人達だ(笑)。
 まとめ。秀麗の目的がお金の為だけじゃなかったのが好印象でした。色々と辛い目にもあってきたという過去をもっているのに、あくまでも前向きに生きる、そんな彼女の存在が、この作品を引っ張っていっているな〜と感じました。ただ、ひとつだけ難点があるとすると、それは登場人物の漢字を忘れること。まあ、自分が覚えれないだけなんですけどね(苦笑)。
 印象に残った台詞(以下反転)―「―よし、ここはひとつ、梅林下で梅茶と梅饅頭で茶会というのはどうじゃ!?」―しょう(漢字不明)大師の台詞。老人会もとい老臣達の「運命の出会い」ついての会話。このあたりのシーンは結構すきですね。「運命の出会い」ついて、朝まで話し合えるこの方々がなんとも素敵です(笑)