円環少女3

円環少女 サークリットガール③煉獄の虚神 (下)長谷敏司 角川スニーカー文庫 2006年4月1日

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

円環少女 (3) 煉獄の虚神(下) (角川スニーカー文庫)

 刻印魔導師・鴉木メイゼルは、自らの誇りを守るため<神に近き者>グレン・アザレイに勝負を挑むことを決意した。あくまで反対する専任係官である仁に別れを告げて、メイゼルは独り戦場へと向う。一方グレン・アザレイは、地球を魔導師の世界へとするために、人類の殲滅を宣言した――。 
 円環少女、前後半の後半です。今回も面白かったですね。VSグレンがメインなのですが、圧倒的な強さを誇るグレンが凄まじいです。自分の信じた道に一直線で、目的の為には手段を選ばない。その信念をどこまでも貫いていった人って感じです。個人的に思ったのは、自分の信念をどこまでも貫き通そうとする姿勢は、実はメイゼルにも共通することなんだな〜ということ。
 で、そのメイゼルですが、仁とのやり取りがとても良かった。自分の誇りのためには命を賭ける、もっといってしまえば、死ぬことすら厭わないメイゼル。そしてそれが大人の偽善だとしても、メイゼルになんとしても生きていてほしい仁。二人の不器用な交流が、とても丁寧に描かれていたかと。
 また、今回様々な登場人物が出てきますが、その中でも《無双剣》セラ・バラードが印象的でした。セラと瑞希の、きずなを巻き込んだ戦闘シーンが良かったですね。この作品において、きずなの立ち位置が見えたような気もします。
 それにしても、仁って強かったんですね(笑)。いや、強いってのは分かってはいたのですが、イメージ的にその特殊能力だけの人って感じがしていたもので、この巻の活躍ぶりにびっくりです。 
 まとめ。とにかく楽しかったです。ものすご〜く簡潔にいってしまえば、グレンとの戦いなわけですが、その中に沢山の見所があった作品だと思いました。
 1巻にも登場したあの人(今回少しだけ登場)や、今回からの登場人物のあの人(割と重要人物)など、今後彼らがどう絡んでくるのか、とても気になります。