スカイ・クロラ

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ 森博嗣 中公文庫 2004年10月25日
☆☆☆☆☆☆
 カンナミは戦闘機のパイロット。戦って人を殺すのが彼の仕事。人を殺めたその手でボーリングをして、同じ手でハンバーガーを食べる、そんな日常を彼は淡々と生きていく。
 ミステリ作品で有名な森博嗣先生の非ミステリ作品『スカイ・クロラ』です。ゲーム化、ならびに映画化されるといことで、なんとなく興味を覚え読んでみることにした作品だったりします。で、感想。これはなかなか面白かったですね。
 まず、読んで思ったのは、ちょっと変わった作品だなということ。なんというか雰囲気が独特なんですよね。主人公であるカンナミの一人称で語られる話は、すごく淡々としているのに、どこか情緒的な感じがして、それがすごく印象的でした。
 その雰囲気というか文体に、最初はちょっと馴染めなかったのですが、慣れてくると段々と味わいが出てきて、なんだか夢中になってくる、そんな作品だったかと。
 まとめ。その独特な雰囲気が印象的だった作品。ただ、設定があまり詳しくは説明されていなかったり、全体的にどこか曖昧さを感じるので、その辺で合う合わないがありそうです。個人的には楽しめたので、このシリーズの次も楽しみです。