スプライトシュピーゲルⅡ

スプライトシュピーゲルⅡ Seven Angels Coming 冲方丁 富士見ファンタジア文庫 2007年7月25日

☆☆☆☆☆☆
 かつてウィーンと呼ばれた街・ミリオポリスに落とされたロシアの原子炉衛星アンタレス。出される暗号。動き始める七つのテログループ。――そして。事件を解決に導くため、3人の<妖精>たちが出動する!
 「オイレンシュピーゲルⅡ」と起こった事件を別の視点で描いた「スプライトシュピーゲル」2冊目です。なので、こちらも「オイレン」同様こんかいは長編です。
 では、感想。これは面白かったですね。「オイレン」で涼月たちが事件を追っているまさにその時、凰(アゲハ)、乙(ツバメ)、雛(ヒビナ)の3人が同じ事件の解決を目指し 何をしていたかが分かる作品。個人的な感性の問題かもしれませんが、「オイレン」を先に読んでおくと楽しさが割増するかと。
 「オイレン」と比べると若干ソフトな感触を受けました。あちらがメインの3人に主に焦点を当てているのに対し、こっちはMSSという組織に焦点が当たっているように感じられたので、その辺が影響しているのかと想像してみたり。
 それはそうと、今回登場する人物の中で、とりわけ格好良かったのがモリサンですね。乙(つばめ)との会話が好きだったりします。渋い(笑)。
 まとめ。<妖精>たちの活躍を描いた作品。「オイレン」のほうでちょくちょく登場しては活躍していた凰(アゲハ)たちが、今度は逆の立場で涼月たちの活躍を見てどう感じたのか。そういったことが分かるのが結構楽しかったですね。「オイレン」同様こちらも続きが楽しみです。