スプライトシュピーゲル Butterfly&Dragonfly&Honeybee 冲方丁 富士見ファンタジア文庫 2007年2月5日
スプライトシュピーゲル I Butterfly&Dragonfly&Honeybee (1) (富士見ファンタジア文庫 136-8)
- 作者: 冲方丁,はいむらきよたか
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 文庫
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近未来のウィーン―ミリオポリス。そこは様々な言葉が飛び交う雑多な都。そしてテロが多発する場所でもあった――。これは、そんな都で生きる3人の少女達の物語。機械化された身体を纏い、少女達は大空を駆けぬける。
角川スニーカー文庫と連動した「シュピーゲル・プロジェクト」のうちの1冊とのことです。戦う少女たちの物語です。
で、早速感想。これはなかなか面白かったですね。まずなんといっても記号を多用した独特な文体が目を引きます。最初はちょっと戸惑いましたが、慣れてくるとなかなか味がありますね。どっちかというとより視覚的な感じ。
それはそうと、ストーリー的には3人の少女達が良かったですね。リーダー格の鳳(アゲハ)をはじめ、「ドキドキするー」とか言いながら戦う乙(ツバメ)や「ボクをいじめないでぇー」と叫びながら爆弾を爆発させたりする雛(ヒビナ)と、それぞれ個性的です。
読み始めは、どこか危うさを感じさせるその個性(性格)に引っかかりみたいのを覚えていたのですが(特に乙と雛)、物語が進むうちに彼女たちのその性格を形作っていると予想されるエピソードが少しだけ明らかになったので、だんだん気にならなくなりました。
各話の冒頭で鳳(アゲハ)がクイズを出すのですが、それが印象的でした。最初は他の2人のメンバーだけだったのですが、後のほうになると他の登場人物たちにも出題するようになって、そしてその人達の反応がまた個性的で楽しい。この冒頭のやりとりは読んでいてすごく和みます。
まとめ。メインの3人を始め、登場人物たちが魅力的でした。また、ストーリー展開もいい感じで楽しく読めました。続きもでるとのことなので、次も読んでみたいです。