スプライトシュピーゲルⅣ

スプライトシュピーゲルⅣ テンペスト 沖方丁 富士見ファンタジア文庫 2008年4月25日

☆☆☆☆☆☆☆☆
 近未来都市ウィーン――ミリオポリスと呼ばれるその都で とある戦犯法廷が行われることになった。法廷にたつ被告と7人の証人を警備する任についたMSS。しかし――。
 近未来都市ミリオポリスを舞台に機械化された身体をもつ3人の少女達が活躍する『スプライトシュピーゲル』、その4冊目です。早速感想。これはすごく面白かったですね。読み応えがある厚さと怒涛の展開で一気に読めました。
 まず、サブタイトルにもなっている「テンペスト」の前に、雑誌連載分のお話「フロム・ディスタンス」があったのですが、これが面白かったですね。なんかもう鳳(アゲハ)が可愛すぎます(笑)。冬真とのやり取りの数々がすごく良かった。また、一方で水無月も素敵でした。落ち込む鳳(アゲハ)へあの一言がいえてしまえるあたり、なんとも格好いいですね。
 というわけで、連載分は楽しいといった感じが前面に出ていた感じなのですが、書き下ろしの「テンペスト」はまさに圧巻といった感じのお話でした。凄いです。
 とある法廷のために集まった7人の証人たち。そんな証人たちの警護にやってきたMSS。鳳(アゲハ)たちは証人達とのゲーム(TRPG)のなかで、彼らの偉大さを知る。しかし、襲撃によって彼らは・・・・といった展開で、最後まで目が離せませんでした。
 それはそうと作中で鳳(アゲハ)たちが証人たちとするゲームが印象的でしたね。気がつけば鳳(アゲハ)たち同様に引き込まれている自分がいました。
 まとめ。500P超という膨大な量にも関わらず、一気に読めた作品。登場人物それぞれに見せ場があり、それがより物語を盛り上げていたかと。本当に面白かったです。
 あと2巻で完結とのことで、これからもすごく楽しみです。