9TAILS(2)

9TAILSⅡ―ナイン・テイルズ 聖巫女の予言― 南房秀久 富士見ファンタジア文庫 2005年11月25日

 叛乱志士達が活動する情勢下で、王都を護るために活動する第9中隊―九尾の猫―のお話第2巻。とか言いつつも、今回は叛乱志士達とはあまり関係のない話かも。今回で猫のメンバーに大きな転機が訪れます。
 それはさておき感想。前半は猫のメンバーの日常を中心に描かれていて、これがなかなか良かった。特に紋章を入れる部分が、少しだけだけど描かれていたのは個人的に大歓迎。また、サキにとってイーファの存在が大きくなってきた様子。あと、中盤のドラゴン退治が良かったです。 
 前巻ではサキやアランが中心で、あまり個性的な部分を見ることがなかった他のメンバーに光が当てられている感じ。なので、前巻よりキャラクターが魅力的に感じられました〜。
 今回後半で、猫のメンバーのみで軍隊に戦いを挑むのですが、その作戦にはちょっと首を捻りました。理由は、それしかないと分かっていても頭のいい人の考えた作戦とは思えなかったということ。もっとも、その戦闘シーン自体は熱い展開で、個人的には好きなのですが。
 終盤の展開から今後の猫のメンバーの行く末や、調停者アランと破壊者サキの決着など、これからが気になります。
 印象に残った台詞(以下反転)―「てめえ!あの竜が何吐いてんのか見えてんのか!?火攻めの効く相手かよ!」―火を吐くドラゴンに対し、火攻めをしようとした指揮官に対して言ったアギのセリフ。至ってシリアスな場面なのですが、個人的にかなりウケました(笑)。