9TAILS −ナイン・テイルズ 疾風のサキ− 南房秀久 富士見ファンタジア文庫 2005年6月25日
9TAILS ―ナイン・テイルズ 疾風のサキ― (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 南房秀久,シンゴ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2005/06/20
- メディア: 文庫
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まず最初に思ったのは、主人公サキが属する第9中隊がいわいる正義の味方ではないということ。戦争が続いていく中で国民感情は叛乱志士たちに傾いており、守備隊の評判は最悪。こういう状況で主人公達が動いていくというのは、なかなか新鮮で面白いと感じました。
メインの話は叛乱志士たちとの戦闘なのですが、物語の端々に色々と気になる部分(いい意味で)が散らばっているのがこの作品の印象。一部を挙げると、体内に蛇妖を宿し、笑いながら人を斬っていく主人公サキや、表向きは国王に従順ながらも内心では王というものを考え始めているアラン。そのアランを調停者と定め、王になるように進めるリネット。その他色々と気になる部分があります。
また、設定で面白いと感じたものに紋章があります。これは一種の魔法のようなもので、体に刺青をいれてそれを使用することで効力を発揮するのですが、この紋章、一回使うと消えてしまうのです。この使うと消えてしまい、また刺青を入れる必要があるという部分が個人的にヒットしました。
あと良かったと思ったのは、サキとイーファの交流。平然と人を斬るサキがイーファとの出会いで少しずつ変わっていく、もしくは今まで抑えていたものが出てくる、そんな感じの展開が良かったです。序盤、いきなりの展開にちょっと驚きましたが、全体的に楽しめた作品でした。