星界の紋章Ⅲ異郷への帰還 森岡浩之 ハヤカワ文庫 1996年6月15日
- 作者: 森岡浩之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1996/06/01
- メディア: 文庫
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まず前巻のラスト付近で登場した、反帝国クラスビュール戦線のメンバーについて。彼らとジント達の関わり方が良かったです。特に最初の方から剣呑な雰囲気が漂っていて、後半も一貫しているように見えるのですが、実際は後半にかけて彼らとジント達の会話に険がなくなっている感じがしました。もっとも、元々の剣呑な雰囲気からして、彼らのいい味をだしている個性(性格)によってそれほど感じなかったのですが(笑)。個人的には葬儀屋が良かったです。
次に追って側のエントリュア警部とカイトについて。この二人は立場上ジントとラフィールを追っているのですが、なかなか憎めない人達かと。エントリュアは性格が、カイトはその生い立ちが憎めない理由かと。またこの二人の会話も結構好きだったりします。
あと遊園地(幻想園)での逃亡劇が好きですね〜。なんともいえない緊張感と遊園地(幻想園)の機械人形たちがいい味だしているかと。ジントとラフィールの会話もこの緊張感の中、相変わらずで良かったです。
後半の惑星脱出の為の手段や、ジント達とは別に惑星開放の為に戻ってきた、アーブ艦隊のスポールとクラファディスの掛け合いが良かったです。実はクラファディスはスポールのいい玩具になっているのではと思ってみたり(笑)。全体的に綺麗にまとまっていて、とても楽しめた作品でした。
印象に残った台詞(以下反転)―「とにかくあの空飛ぶ迷惑を撃墜するんだぁっ」―カイトさんの叫び(笑)。カイトさんには悪いけど、なかなか名台詞かと。空飛ぶ迷惑…なんとも似合っている言い方ですね〜