聖剣の刀鍛冶

聖剣の刀鍛冶 三浦勇雄 MF文庫J 2007年11月30日

☆☆☆☆☆
 かつて大陸で起こった忌まわしき戦争から四十四年。騎士団に所属する元貴族の娘セシリー・キャンベルは、ある日、暴漢を奇妙な形の剣で退ける青年と出会った。その剣に魅せられたセシリーは、その青年―ルーク―が鍛冶屋で、奇妙な形の剣を作った本人だと知り自分にも同じ剣を打ってほしいと頼むのだが・・・・・
 「上等」シリーズで有名な三浦勇雄先生の新シリーズ『聖剣の刀鍛冶』です。早速感想。これはまずまずな面白さでした。
 なんといっても主人公であるセシリーが良かったですね。自分の未熟を自覚しながらも、それでもその場その場で精一杯の行動を起こそうとする、そんな姿が印象的です。
 そんなセシリーが剣を作ってくれと頼んだ青年ルークですが、彼には色々と秘密がある様子。その秘密もしくは過去が、彼のどこか捻くれた性格の一因になっているんですかね。セシリーとの出会いによって、なんらかの変化が訪れる(訪れない)のか、これからが気になります。
 ストーリーは、短編形式に近いようで3話構成になっています。最初の1話が地の文とのリズムが合わなかったこともあり それほど惹かれなかったのですが、文に慣れてきてからの2話、3話は割と楽しめました。個人的にはルークの助手リサにスポットが当たっている2話が好きですね。
 まとめ。自分に出来ることを一生懸命やっているセシリーの姿が印象的だったお話。シリーズものとのことなので、次も読んでみたいです。