聖剣の刀鍛冶3

聖剣の刀鍛冶3 三浦勇雄 MF文庫J 2008年9月30日

☆☆☆☆☆☆
 セシリーの叱咤から、ルークのリサに対する態度がほんのすこしだけ変わってきた。その日も、不承不承ながらもリサの手伝いのために灰被りの森へとやってきていた。一方、セシリーたちが暮らすハウスマンの街に突如 人外が現われた。それは全身から剣を生やした異常な風体の人外だった。戦いの最中、包囲を突破して逃げた人外を追うためセシリーは灰被りの森へと向かい――。
 まっすぐと己の信念を貫く騎士セシリーと、皮肉屋な鍛冶師が活躍する『聖剣の刀鍛冶』その3冊目です。これはなかなか面白かったですね。
 今回はあとかぎによると「覚悟の上に覚悟を重ねる回」とのこと。なので、それらしい展開でした。なかでも一番良かったのはやっぱりセシリーですね。詳しくは書きませんが、自身の無力さを痛感し落ち込み、それでもなんとか這い上がっていく姿が印象的でした。
 また、他の人物ではリサが良かったですね。今までルークにたいしてどこか遠慮のようなものがあった彼女が、すこしずつ自身の感情を表に出していく姿が良かったです。
 まとめ。物語として大きな動きはなかったですが、それぞれの人物の意志にスポットが当たっていて、これからが面白くなりそうなお話だったかと。なので、続きも楽しみです。