戦塵外史

戦塵外史 野を馳せる風のごとく 花田一三六 GA文庫 2006年10月31日

戦塵外史 野を馳せる風のごとく (GA文庫)

戦塵外史 野を馳せる風のごとく (GA文庫)

☆☆☆☆☆☆
 その男は自身よりも尚大きい大槍を構え、一陣の風となって戦場を駆けていく。男の名前はダリウス。武勇、性格、何もかもが桁外れの男だった。そんな彼の内縁の妻アスティアが、亡国の皇女フィオナを連れてきたとき、ダリウスはある決断する。それは。たった5人で一国を奪うというものだった――。 
 元々「大陸シリーズ」として出版されていたものの復刻版との事です。明確な名前がなかったようですが、今回の復刻にあたり「戦塵外史」とタイトルに固定したとのこと。
 で、感想。これは面白いですね。たった5人で国奪りをするという、なかなかスケールの大きい話ですが、登場人物達が魅力的でどんどん引き込まれていきました。色々な意味で桁違いの男ダリウスがやっぱり格好いいですね。けっこう無茶苦茶なことをしているのだけど、その存在感からか何をやっても様になる。そんな感じがします。また、寡黙で器用なラザークとか、真面目な顔しながら正当防衛とか言って敵を切り伏せるキルスなど、ダリウスの周りの人達も魅力的でした。
 どこか歴史小説を読み解いているような読感が心地よいですね。結構新鮮な楽しさがあったかと。
 まとめ。魅力的なキャラクター達の影響で一気に読めた作品。何気に敵方の人物も好きだったりします。あと2冊でるとのことで、次もとても楽しみです。