ソードジャンカー

ソードジャンカー 神代創 GA文庫 2008年8月31日

☆☆☆☆☆☆
 そこは匠の作り出した刀剣が力を得る世界。伝説の名匠のロンダルの息子ローグは、突然現われた男たちに父と親友を殺されてしまう。ローグは2人の仇を討つために、父の残した数々の剣をもち、男たちを追っていく。しかし、使い方が悪いのか、千の兵にも匹敵するといわれる剣は使うたびにぼろぼろになってしまう。
 そして、そんなローグの前に、死んだはずの親友シュウが現われる。だが、シュウは自分がローグだと言い出して――。
 『ウェイズ事件簿』の著者神代創先生の新シリーズ『ソードジャンカー』です。父と親友の仇を討つために旅立つローグと、自分もローグであるというシュウの物語。これはなかなか面白かったです。
 実をいうと序盤はあんまり好みじゃなかったりしました。殺されたシュウが自分もローグだと名乗る展開がイマイチ好みではなかったです。ただ、完全に同じ2人のローグというわけではないようで、その差異が大きくなっていく中盤以降は普通に楽しめました。とりたてた派手さはないのですが、読み進めていくうちにジワジワと面白くなっていく、そんな作品だったかと。
 登場人物のなかでお気に入りなのはローグの幼馴染のマイですね。ローグもシュウ(もう一人のローグ)も彼女には逆らえない感じが印象的です。しかも、その外見とは裏腹になかなか強いようで、それも素敵ですね。
 まとめ。シリーズモノの1巻なのでまだまだ謎だらけですが、どこか誰かの手のひらで踊らされているような状況や、シュウのこと、ローグのことなど色々と気になるところがあるので、今後どういった展開を迎えるのか楽しみです。