空と月の王

空と月の王 霜島ケイ MF文庫J 2005年9月30日

☆☆☆☆☆☆
 駆け出しの<鎮魂屋>であるトキは、空飛ぶ右手「タマ」を相棒に旅をしていた。トキは霊害の噂を聞いてシンカという街へとやってきた。その街は異常なほど霊でごった返していた。早速街のなかを調べていたトキは、そこで一人の少女と出会う。少女の名前はマユ。彼女は禁じられし業を使う<召喚師>だった。このマユとの出会いがトキの旅を変えていくことになる。
 異世界ファンタジーもののお話です。これはなかなか面白かったですね。過去のものを召喚する<召喚師>の設定が面白かったです。また、神を信望する教団などの世界観もなかなか印象的だったかと。
 キャラクターについて。メインの4人(一人は手だけど)がそれぞれ良かったですね。元気だけどちょっと変わった性格をしているマユとか、そのマユを守る寡黙なヒューゴとか、挙句には空飛ぶ右手のタマとか、なかなかに個性的です。その分トキが普通人って感じかも(笑)。
 そんな彼らの掛け合いが楽しいですね。何気に4人中2人は喋らないのに、それでもコミュニケーションが取れているのが凄いです。個人的には終盤のトキとヒューゴのやり取りが印象的でした。
 あんま関係ない話ですが、料理の腕が壊滅的なマユ。今までどんな旅をしてたんですかね。ちょっと気になります(笑)。まとめ。魅力的なキャラクターとどこか温かみのある雰囲気が良かった作品。まだまだ明かされていない謎があるので、今度どういう展開を見せるのか楽しみです。