空と月の王2 約束のカケラ 霜島ケイ MF文庫J 2006年6月30日
- 作者: 霜島ケイ,ギンカ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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自分は何の役にもたてないかもしれない。それでも、マユと一緒に旅をすることを決めたトキ。マユを狙う賞金稼ぎや宣教隊に追われながら旅を続ける一行。そんなある日、襲撃者の放った毒針によってヒューゴが倒れてしまう。解毒薬を探すため宣教隊が網を張っている町へ入った二人だったが、マユを逃がすためにトキは捕まってしまう。
宣教隊に捕まってしまったトキ。だがしかし、彼を待っていたのは意外な展開だった。宣教隊の隊長ナツキから、トキは神に選ばれた存在――すなわち、神の地に住まうことが許された人間であると告げられたのだった。トキは選択を迫られる。このまま辺境に残るか、神の地へいくか。トキの下した決断は――。
空と月の王2冊目。今回も面白かったです。構築された世界観(神の存在等)が物語と密接に関わってきている感がありますね。1巻よりも盛り上がってきているように感じました。
まず、なんといってもマユ。ヒューゴが倒れてしまってからの反応がなんとも痛々しいですね。彼女にとっていかにヒューゴの存在が大きいかが分かります。どんなに強く、明るく振舞っていてもマユはまだまだ11歳。どこか危うさを宿している彼女の無邪気で幼い精神(こころ)がなんとも切ないです。
次にトキ。マユを心配するけど自身が何の役には立てないということも知っている。それでも、それでもマユの為に行動するトキが印象的です。
少しずつ謎が解けてきた様子(というよりは、新たな謎が増えてきた感じも・・・)。最初に思ったのは神の地。ただの昔話的な立ち位置なのかと思ったら、実際にあるところのことだったんですね。ちょっと意外でした。また、色々な場面で活躍中のタマもまた秘密を抱えているようなので、それも気になります。
一方。マユを追っている宣教隊隊長のナツキにも、独自の思惑がある様子。なんだかんだいって、まだまだ謎だらけですね(笑)。
まだ2巻。次はどんなお話になるのか、楽しみです。
印象に残った台詞(以下反転)――「それでルーイーさんに見てもらったら、ヒューゴは本当に一人ぼっちだったって、わかりました。それなら、ヒューゴが今ここにいるのは、全然悪いことじゃないですよね?だって私にとってヒューゴは、大事な家族ですから」――マユの台詞。マユが召喚したヒューゴ。彼女にとってヒューゴは家族だった。だけどいつか彼は消えるかもしれない。詳しくは書きませんが、彼女の心の不安定さがあらわれている台詞だと感じました。