ソラにウサギがのぼるころ

ソラにウサギがのぼるころ 〜twilight moom rabbit〜 平坂読 MFJ文庫 2006年3月31日

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

ソラにウサギがのぼるころ (MF文庫J)

 「とある事情」から一人暮らしをしている高校生・霧村聖司は、自分をモノにしようと強引に迫ってくるクラスメイト・冬木陽子を始め、変わった友人達に囲まれながらも平穏で「ごく普通の日常」を送っていた。しかしそんな日々も突然空から降ってきた一人の少女の登場で崩れていくことに・・・。 1000年越しの恋。1000年前に死んだ恋人の転生を探している吸血鬼の少女・ユウに、恋人の転生と認定されてしまった聖司。そんな聖司を巡るストレンジ・トライアングル・ラブコメディ。
 これはなかなか面白かったですね。難しいことがなくてサクッと読めます。また、二転三転する展開で読者を「おお!」といわせる作りが良かったです。登場人物達も個性的で、今後の絡みに期待です。特にウサギなシドと、何気に凄い人っぽい氷川真那が印象的でした。
 ただ、読んでいて幾つか違和感を感じたりもしました。まず一つは下ネタがやたらと多いこと。それが悪いってわけではないのですが、他の部分でも魅せてほしかったな〜という気持ちもあったり。
 もう一つ、上とも関連するのですがコメディ部分と聖司の内心の心情(これが割とシリアスなのです)部分との間に温度差があるということ。下ネタ連発のコメディの後に、やけにシリアスな聖司の心情がくると妙に浮いてるように感じました。
 まとめ。軽快なノリでサクッと読める作品。人によって合う合わないはありそうですが、なかなか楽しかったです。とりあえず続きも購入しようと思います。
 印象に残ったシーン(以下反転)―・・・・・・窓際に、ウサギが立っていた。―ある朝起きたら不思議なウサギ男さんがたっていましたとさ、みたいな感じのシーンです(笑)。ウサギ男ことシドの全体像がカラーイラストで描いてあったので、妙にリアルに想像してしまい噴きかけました(笑)。