太陽戦士サンササン

太陽戦士サンササン 坂照鉄平 富士見ファンタジア文庫 2006年1月25日

太陽戦士サンササン (富士見ファンタジア文庫)

太陽戦士サンササン (富士見ファンタジア文庫)

☆☆☆☆☆☆
 『咎人(クライム)』――それはかつて犯罪を起こし、現在は薬により生命機能を極限まで抑えとある場所に仕舞われている者たちであった。そんな『咎人』を使い、犯罪に対処する『咎人回し(クライムハンドラー)』である鉄斎にある指令が下った。そして、そのサポートとしてとある『咎人』が起こされようとしていた。その人物こそ鉄斎の義理の姉・詩菜であった。そして二人での初仕事の日。鉄斎はソレに出会う。それは自らを異世界の勇者であり、同じく異世界の魔王を追ってきたと言う。鉄斎は突如現われたソレのに呆然となる。なぜならソレは――。
 まずこれは最初に謝罪しなくてはなりません。ごめんなさい。題名からして「地雷かな〜」とか思っていました。でも実際読んでみるとなかなか、というか普通に面白い。主人公の鉄斎が、ヘルメットに憑依した勇者と出会い 魔王を倒すために戦うというお話です。
 題名を見たときに結構お馬鹿なノリのお話かなとか思っていなのですが、実際は結構シリアスな内容でした。もちろん、笑わせてくれる部分もたくさんありました。
 まずなんといっても、ヘルメット勇者ジャバと鉄斎のやり取りが楽しいですね。ヘルメットを着用することで鉄斎(とジャバ)は力を使えるのですが、そこはそこやっぱりヒーローっぽいものにはあるわけですよ、必殺技が(笑)。22才の鉄斎にしたら恥ずかしくてしょうがない必殺技名を強要するジャバとの掛け合いが印象的です。てか、実はアレ(一応反転――別に叫ばなくてもOK)でしたというのはお約束ですね(笑)。
 と、そんなわけで色々と笑かしてくれるシーンもある一方、シリアスな展開も結構あります。特に姉の詩菜との関係に関連した展開が良かったですね。こういう話は結構好きだったりします。
 まとめ。楽しくて熱い作品だったかと。特に終盤の呪文(変身シーン?)は凄く良かった。格好よすぎです。楽しかったです。