ダーク・バイオレッツ3

ダーク・バイオレッツ3 常世虫 三上延 電撃文庫 2003年4月25日

ダーク・バイオレッツ〈3〉常世虫 (電撃文庫)

ダーク・バイオレッツ〈3〉常世虫 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 少し前から明良の様子がおかしい。ここしばらく家に閉じこもり、本ばかり読んでいるというのだ。柊美はそんな明良の様子を聞いて、なぜ自分に相談してくれないのだろうと心を痛める。そんな折、新たな「紫の者」が現れた。名前は高木千紗、常世の音を聞く「紫の耳」の持ち主だった。彼女は明良に伝えることがあると、この街にやってきた。そして、新たな悲劇が生まれる――。
 ダーク・バイオレッツ3巻。今回もとても面白かった。明良の秘められた過去が明らかになったお話かと。 「紫の目」・・・それは霊を見ることができる能力。だけど、見ることができるからといって何かができるわけではなくて・・・・。なんというか明良の感情が印象的でした。
 相変わらずキャラクター達が魅力的です。なんだかんだでお互いに大切な存在になっている明良と柊美が好印象です。ただ。その分柊美が隠している秘密が明らかになった時、この二人の関係がどうなるのかとても不安になりますね。 
 一方で、今回から登場の高木千紗も良かったです。明良や柊美のように力があるからといって戦うのではなく、危険な事は逃げるタイプの少女。だけど実際それはしょうがないことなのかもしれないですね。実質ダメージを与えることができるのは柊美だけですし。まあ、それはともかくとして一見冷めたように見える千紗と明良たちのやり取りが結構好きですね。少しずつ明良達の影響を受けていく千紗が印象的でした。
 まとめ。テンポよく進むので、サクサク読める作品。柊美関して事態が段々悪化していっている感があるので、今後どうなってしまうのか、非常に気になります。