ダーク・バイオレッツ4

ダーク・バイオレッツ4 死者の果実 三上延 電撃文庫 2003年7月25日

ダーク・バイオレッツ〈4〉死者の果実 (電撃文庫)

ダーク・バイオレッツ〈4〉死者の果実 (電撃文庫)

☆☆☆☆☆☆☆
 3年前に突然失踪した姉・田沼綾花を持つ高校一年生の少女・襟子。彼女は姉の足跡を辿るうちに奇妙な『種』を手に入れる。そして、文化祭で賑わう学校でその『種』が芽吹いた時、学校を舞台に惨劇が始まる――。
 ダーク・バイオレッツ4冊目。今回もとても面白かったです。奇妙な『種』のお話。まず思ったのは岬。明良に対し自分では気づいていない感情を持っていて、それを持て余しているあたりがちょっと可愛いかった。関連して、岡内可哀想そうだなとか思ったりも(笑)。何気に中盤にあった岬と柊美の会話が印象的です。
 明良と柊美は相変わらずですね。仲が良い。とはいっても、ベタベタしているとかそういのはなくて、どこか穏やかさに包まれている感じがしますね。こういう雰囲気けっこう好きかも。また、何気に普段とは違う初々しさを見せてくれたりしたのが、ちょっと新鮮。 そして遂に来たあの展開。いずれ来ることが分かっていたとは言え、これからどうなってしまうのか、とても気になります。
 ストーリーについては、学園祭の賑やかな雰囲気の裏で、少しずつ根を張っていく「異常」、という感じで、最後まで飽きが来ませんでした。あとがきによると、この巻から後半へと入っていくとのこと。残り3冊でどのような展開がされていくのか、とても楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転)――「御厨さんはチャイナドレスを着てなにをするんですか」――千紗の台詞。千紗、何気にずっと気になっているんですね? て、感じでちょっと笑った。何を想像してたんだろう(笑)。