黄昏色の詠使いⅢ

黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王 細音啓 富士見ファンタジア文庫 2007年7月25日

☆☆☆☆☆☆
 夏休みも終わりを迎えたトレミア・アカデミー。ネイトたちは始業式を明日に控えていた。ところが、始業式当日、学園は一時的に閉鎖することに・・・。ここのところ続く不審現象への警戒のためだった。そして――。
 「黄昏色の詠使い」その3冊目です。これは面白かったですね。一言でいうならば学園に、謎に満ちた灰色名詠の使い手が現われて、それにクルーエルたちが関わっていくといったお話かと。
 まず思ったのがクルーエル。ここのところ異常ともいえる成長ぶりを見せる彼女ですが、その背景にはなにやら色々とあるようで・・。一体どんな秘密があるのか、これからの展開に期待です。
 それはともかくとして、相変わらずネイトとクルーエルのやり取りは素敵ですね。この2人の夏休みの過ごし方を想像すると、なんとも和みます。微笑ましい。ストーリーは終盤が特に良かったですね。極限状態の中で、お互いの信頼の高さが伺える展開だったかと。
 まとめ。クルーエルのことや灰色詠名士のことなど、段々と話が大きくなってきた巻だったかと。続きがとても楽しみです。