月の娘1

月の娘1 渡辺まさき HJ文庫 2006年8月1日

月の娘 1 (HJ文庫)

月の娘 1 (HJ文庫)

☆☆☆☆☆
 いつものように屋上で昼寝をしていた男子高校生・一沙(かずさ)は、開いていた口に何かが飛び込んできた感触に飛び起きた。「・・・・・・うぅ、気持ちわるい」。なんとか気を取り直し、部活へと向う一沙だったが、突然頭の中に誰かの声が響いてきた。 謎の声はイブキと名乗った。話によると、自分の体から抜け出してしまい一沙に憑りついたらしい。仕方なく、体を捜す手伝いを始めた一沙だったが――。
 異世界から来た魔女と、園芸部員で寺の息子が織りなす現代和風ファンタジーとのことです。
 で、感想。う〜ん、これは何というか、この巻だけでは判断しにくいかと。雰囲気は結構好きですね。イブキと一沙のやり取りや、舞台の町がもっている暖かい人情溢れる感じとか、読んでいて心地よいものがあります。
 ただ。どこか盛り上がりに欠けているように感じることもあったりします。全体的に淡々としているのが、その原因かもしれません。
 設定は割とシンプルかと。この世界と良く似た、だけど違った道を進んだ異世界というのはなかなか面白い。この「良く似た」という部分が今後何らかの意味を持つのか、持たないのかちょっと気になったり。 
 まとめ。穏やかな雰囲気がなかなかに心地よい作品かと。ただ。反面、盛り上がりに欠けているように感じることも。とりあえず、2巻も購入する予定です。