デルフィニア戦記 第Ⅰ部(1)

デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士1 茅田砂胡 中公文庫 2003年1月15日

放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫)

放浪の戦士〈1〉―デルフィニア戦記 第1部 (中公文庫)

 国を追われた一人の戦士と、異世界からやってきた小さな戦士。この二人の出会いが後々にデルフォニアを、さらには大陸全土の運命を変えていくことに・・・。デルフィニア戦記中公文庫版第1巻。この作品は確か93年くらいに一度本になっています。それを改題して中央文庫版として出したものがこの作品です。
 とまあ、それは置いといて感想を。これは凄く面白いです。まず、なによりキャラクターが魅力的です。国を追われた王様ウォルと異世界からやってきたリィ。王様なのにどこかくだけた印象のあるウォル。その小さい体に戦士の魂と常識離れした能力を持つリィ。この二人の掛け合いがとても楽しくて良かったです。真面目な話をしているはずなのに、そのキャラクター性からか思わず笑ってしまう部分があって読んでいて楽しいです。
 ただ、この作品ちょっと思うのは序盤でリィが少年から少女になるのですが、ここで少し引いてしまう可能性があるように思えます。というのも自分がそれで一度リタイアした事があったりします。まあ、自分だけかもしれませんが(苦笑)。
 ですが、読み進めていくうちにそんなこと気にならなくなるほど面白くて、読むのに夢中になっていました。
 印象に残った台詞(以下反転)―「そうだよ。変わってる。ほんとに人間?」―リィがウォルに対していったセリフ。この二人の会話はホントに楽しいのですが、その中で特に印象に残ったセリフです。