デルフィニア戦記 第Ⅰ部(2)

デルフィニア戦記 第Ⅰ部 放浪の戦士2 茅田砂胡 中公文庫 2003年2月15日
 国を追われた王様と、異世界から落ちてきた少女のお話第2巻。今回は前回のラストで立ち寄ったビルグナの砦を離れてリィとウォルがデルフィニア首都コーラルを目指すところから始まります。もっとも、厳密に言えば始まりはドラ将軍とビルグナ砦の騎士団長の再会からだったりしますが(笑)。
 この巻で一応の主要メンバーが集合し、一気に国王軍を形成します。そのメンバーはウォルの幼馴染イブンをはじめ、名門のドラ将軍、将軍の娘のシャーミアン、ラモナ騎士団のナシアスなど。彼らがとても魅力的で、読んでいて清々しい気分になれました。
 今回はリィの常人離れした能力に、他のメンバーがびっくりするのが主な内容かと。そしてそのあたりのやり取りがとても面白いです。というか笑えます(笑)。特に年配のドラ将軍や、その副官のタルボの驚きようが、本人達には申し訳ないが爆笑ものですね〜。
 え〜と、なんか笑えますとしか書いてないような気がする(苦笑)。なので少し補足を。このお話は戦記もので内容は至ってシリアスなものです。ただ、あまりにもキャラクター達が強烈で思わず笑ってしまうのです。
 印象に残った台詞(以下反転)―「その・・・・・だな。娘」「なんだい、おじさん」―ドラ将軍とリィの会話。これだけ抜き出しても、あまり面白くないかもしれませんが一連の流れを見るとかなり笑えます。私もウォル同じように、笑いを噛み殺すのに失敗して、電車の中で危うく有名人になるところでした(笑)。