デルフィニア戦記第3部

デルフィニア戦記 動乱の序章1 茅田砂胡 中公文庫 2003年11月15日

動乱の序章〈1〉―デルフィニア戦記 第3部 (中公文庫)

動乱の序章〈1〉―デルフィニア戦記 第3部 (中公文庫)

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 不意打ちに近いタンガの侵攻により窮地に陥ったランバー砦だったが、ウォルとリィの活躍により戦況を覆すことに成功する。いっぽう、ナジェック王子が囚われ意気消沈のタンガ軍に、国王ゾラタス率いる援軍が到着。その戦う意志は少しも衰えていなかった。そして――。
 『デルフィニア戦記』第3部第1巻(通算8冊目)です。ついに交戦状態となったデルフィニアとタンガの戦いから始まります。ちなみに再読。と、それはともかく感想。とても面白かったです。
 まず、あらすじにあるタンガとの戦いは、意外とあっさりと語られていた感じですね。序盤といった感じ。とはいえ、タウの山賊であるイヴンたちの活躍は、なかなか面白いものでした。
 で、そんなイブンが本編で言うように「とんだ恋の季節」なのが、中盤以降のお話かと。とくにバルロの求婚は、国王すら巻き込んでの騒動で読んでいて楽しい(といってもなかなかにシリアスな部分もあるのですが)。近づいてくるロザモンドから逃げようとして、リィに引っ張り戻されるウォルの図に笑いが。
 まとめ。今回もとても面白かったです。第3部の一巻ということもあり、これから大きな展開を迎える前の序章といった感じの巻かと。
*感想の続きは本家にあります。よければそちらもどうぞー。