倒凶十将伝(13)

倒凶十将伝 巻乃拾参 庄司卓 ソノラマ文庫2006年2月28日

倒凶十将伝 巻之拾参 (ソノラマ文庫)

倒凶十将伝 巻之拾参 (ソノラマ文庫)

 かつてないほどに絶大で、強力な力を得た現世魔王。魔王は人間界を魔界へと変えてしまった。そしてその魔の手は、遂に仙人界へと向けられる。
 もはや魔王を止められるものはいない――そう思われたが、幽将達は諦めない。一将の指示により最後の策を展開する。その策とは、十幽将みずからの体をもって、現世魔王を閉じ込める結界を張るというもの。しかし、頼みの綱の幽将も九将がいまだ、魔王に囚われたままで……。 
 前巻から6年の時が流れ、倒凶十将伝遂に完結です。この作品は私にとってかなり重要な位置を占めているので、完結して本当に良かった。感無量です(って、これって読者が使う言葉なのかな)。
 それはそうと感想。自分はてっきりアクションよりで戦闘シーン満載の話になると思っていたのですが、意外や意外、アクション要素は少なめだったかと。、魔王が強力になって仙界が絡んできたので、すでに十斗達だけで扱える問題じゃなくなったというのもあるのだろうけど、もうすこし激しい戦闘とかを見たかったな〜とも思ったりしました。
 ラストについて。なんとなく予想はできていたけどこういう終わり方でくるとはな〜。こういうラストは結構好きだったり。読後に感じる、なんともいえない余韻が好きですね。
 なんの不満もない―とは言いませんが、やっぱり面白かったです。この作品を簡単に表すと、凶魔と人間の戦い(幽将と現世魔王の戦い)といえるのですが、結末までに実に様々な要素が絡み合っていて、それがとても印象的でした。この作品に出会えて良かったです。