七姫物語 第二章 世界のかたち 高野和 電撃文庫2004年1月25日
- 作者: 高野和,尾谷おさむ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/01/10
- メディア: 文庫
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七姫物語。第2巻です。うん、面白かった。やっぱり素朴な感じです。
この作品って、いわいる正義の味方がいないんですね。主人公のカラスミにしてからテンとトエの共犯者という一面も持っていますし、そもそも主人公サイドが戦乱の口火を切っているという変わった作品。だけどそういう理由から主役達が悪役というわけではもちろんなくて、むしろ人間的にはものすごい魅力を感じさせる人たちだと思えます。
今回もカラスミの視線で描かれる風景や人間模様、色々なことを感じるカラスミの感情が良かった。
決して善良とはいえない二人(テン、トエ)や、命のやり取りができるヒカゲと共に過ごしながら、いかに彼等のことを大切に思っているかが伝わってきました。また、綺麗事だけでは成り立たない世界において、あくまでも純朴(正直)であろうとするカラスミが魅力的でした。
それにしてもこの作品、要所要所で描かれている挿絵がとても素敵ですね。なんというか、イメージとぴったりで胸に染み入るようです。個人的には1節と2節の最後の挿絵が好きですね〜。
印象に残った台詞(以下反転)―「多分、お別れから始まるよ」―カラスミの台詞。一巻の最後と関係している部分。序節のイラストと合わせて、切なげな感情が漂っているように感じました。