沙漠の国の物語2

沙漠の国の物語 風はさらう 倉吹ともえ ルルル文庫 2007年11月6日

沙漠の国の物語―風はさらう (ルルル文庫)

沙漠の国の物語―風はさらう (ルルル文庫)

☆☆☆☆☆
 シムシムの使者として「砂嵐の町」を開放したラビサは、その後も「砂嵐の町」で過ごしていた。ガウルの力を借りて少しずつ発展していく「砂嵐の町」。しかし、その内側では町の秘密を巡る話し合いが紛糾していた。一方、砂嵐旅団の頭領カヤルは、ジゼットに並々ならぬ執着を燃やしていた。
 「沙漠の国の物語」2冊目です。これは、まずまずな面白さでした。シムシムの使者として「砂嵐の町」に種を植えることにしたラビサたちのその後の物語です。
 シムシムが植えられて新たな道を歩みだした「砂嵐の町」ですが、その町とさらには「砂嵐の町」の発展を手伝っているガウルには隠された暗部があって、それが今回の物語の焦点だったかと。
 自分がここにいて役に立っているのだろうかと悩むラビアと、紛糾する話合いにイライラしているジゼットがとあることでケンカになってしまうシーンがあるのですが、それが読んでいてもどかしいですね(悪い意味ではなく)。なんというか「お互い素直じゃないなー」といった感じかと。
 メインとなるストーリーも悪くはなかったのですが、個人的には旅芸人たちと関わるお話が良かったですね。特にそこで知り合ったキサとのやりとりが印象的でした。
 ラストでラビアとジゼットの会話があるのですが、もしジゼットが言っていたようになる(以下反転――旅に出る)のなら、次巻以降は今まで以上に冒険ファンタジーっぽくなるのかなと想像してみたり。ちょっと楽しみです。