円環少女

円環少女 サークリットガール①バベル再臨 長谷敏司 角川スニーカー文庫 2005年9月1日

円環少女 (角川スニーカー文庫)

円環少女 (角川スニーカー文庫)

 数多くある魔法世界の住人から、地獄とまで呼ばれている地球を舞台に繰り広げられる魔法バトルアクション。その一巻。
 これは、まず設定が凄いですね〜。色々な体系の魔法や、地球が地獄といわれる所以、異界からくる魔導師、その異界魔導師に対抗すべく組織された魔導師公館など、実に様々な設定が練られています。
 次にキャラクターについて。元の世界で犯した罪の為地獄に堕とされたヒロイン―メイゼルが結構いい味出しています。普段の強気な態度や言動と、時折みせる竹原仁への少女らしい反応が印象的。自分で嗜虐性が強いと言っているのも面白かった(笑)。ちなみにその時の台詞です(以下反転)―「変態呼ばわりしないで!あたしは強い相手やきれいな女の子の泣き顔を見たい気持ちが、人よりちょっと激しいだけなんだから!」
 ストーリについて。なかなか面白いな〜と感じたのは地獄という定義の使い方。また、仁をはじめ公館の大人たちの内面が良かったです。
 最後にちょっと思ったことを。この作品面白いと感じる要素がたくさんあるのですが、少し読みにくいかもしれません。膨大な設定を理解しきれないということもが主な原因かと思ってはいるのですが、状況判断ができない部分がちょこちょことありました。