シリアスレイジ4

シリアスレイジ4 南溟奇譚(上) 白川敏行 電撃文庫 2006年7月25日

シリアスレイジ (4) (電撃文庫 (1295))

シリアスレイジ (4) (電撃文庫 (1295))

 篤志は栞、貞教と共にマレー半島で実習に来ていた。大牟田の指導のもと実習をこなしていく篤志。ところで、この場所はかつて<海龍>と呼ばれた男が活躍したところでもあった。
 シリアスレイジ、今回は上下巻とのことで、その上巻です。で、感想。なかなか面白かったですね。ただ、前後半で別れていることもあってか、この巻は全体的に穏やかでおとなしめだったといえるかと。個人的には陸での活動がメインだった篤志が、海の生き物を知るという場面で、もっと「感動した」みたいのが欲しかったという気持ちもあったり。
 話的には各人の内心に 結構な重点が置かれているかと。私としては、篤志の為に頑張っている栞を応援したいですね。なんとも健気です。
 話が動き始めたあたりで終わっているので続きがどんな話なのか、読むのが楽しみです。
 印象に残った台詞(以下反転)――「(前略)私の大切な人にとって、あなたの言葉は幸運の使者です」――栞の台詞。ここまで率直に篤志のことを大切な人といえるあたり、なんとも素敵ですね。彼女の努力がどのような形で表れるのか、今後に期待です。